連載投稿の始まりに寄せて

 
 この度『響け!ユーフォニアム』二次創作連載小説「或る、フルート吹きの青春」を公開する運びとなりました。先ほど第2話まで投稿し、これから約一年間毎週に渡って公開していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
 さて、なぜ今回の連載を始めたのか、その理由をお話します。
 私はもともと、アニメ評論を主に活動の場としておりました。8年前にコミックマーケットで寄稿したことで執筆デビューを果たし、2018年には無二の友人であるTakashiさんと合同のサークル「さやえんどう」を立ち上げました。そこで最初に刊行した同人誌が『卒業文集~山田尚子高雄統子を語る〜』でした。早い話が、京都アニメーションの作品を追い続けてここまで辿り着いたのです。

筆者製作の第一号同人誌

 京都アニメーションは、私の精神的支柱です。2009年には『けいおん!』に出会いました。山田尚子監督の可能性を感じました。京都アニメーションは家族のようにスタッフを大切にしていました。そして『たまこまーけっと』では家族の在り方、人の在り方が私の生き方の指標となりました。『氷菓』では武本康弘監督の表現の引き出しの多さに、『境界の彼方』では新進気鋭の石立太一監督が描く世界観の美しさに、『響け!ユーフォニアム』シリーズでは石原立也監督が長期に渡って安定したクオリティーを維持し世界に誇る傑出した演出家、アニメーターを輩出しました。小川太一さん、藤田春香さん、門脇未来さん、内海紘子さん、西屋太志さん、堀口悠紀子さん、池田晶子さん、河浪栄作さん、木上益治さん、石田奈央美さん、高橋博行さん、明見裕子さん。そしてこれから大成してゆくであろう大勢のアニメーターの未来がここにあります。
 私は一介の京アニファンです。
 前を向けとは言いません。私もあれから前を向けたかどうかはわかりません。
 軽率に前を向いて良いのかすらわかりません。
 今でもたまに、あの日を夢に見ます。
 
 京都アニメーションが2021年に制作、放映した『小林さんちのメイドラゴンS』に、これからを歩む力を見ました。オープニングアニメーションを観て涙が出ました。粛々と生きていた身体に火がつきました。
 
 京都アニメーションはゆっくり、でも確実に前を向いています。
 今年の4月、満を辞して大長編物語に終止符を打つべく、テレビに京アニが帰ってきます。
響け!ユーフォニアム3』を私なりの形で盛り上げるべく、今日筆を取りました。
 
 どうぞみなさん、肩の力を抜いて、宇治茶を淹れて、
 一年に及ぶこの物語をお楽しみください。
 
 
 
本日21時よりpixivFANBOXにて第2話まで公開しています。

hayabusa-va398.fanbox.cc

 

pixivにて第1話を一部公開中です。

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